私たちのさまざまな目のトラブル、近視であったり、遠視や老視、そして白内障や緑内障、糖尿病網膜症などの疾患がありますが、身近な問題としてとりあげられるのは、やはり近視が大多数をしめています。
その原因を調べてみると、ほとんどが毛様体の機能不全によるもので、毛様体がうまく働かないために水晶体の厚さ調節が出来なくなり、網膜に正しい像を結べなくなっているーというのが実情です。
それは、スマホやテレビゲーム、暗いところの読書、ストレスや眼の酷使による眼精疲労、VDT症候群(画面や画面表示端末を見続けることで引き起こされるストレス性の眼の症状)などが引き金になっているのですが、見方を替えれば毛様体を正常な姿に戻してあげることができれば、近視は治るということになるのです。
そこに注目したのが、世界的な眼科の権威である山本由記雄博士で、1962年に「眼科用手持ち超音波治療器」を完成させました。
これを同年の日本臨床眼科学会で発表。1964年ニューヨークで開催された第一回国際近視学会で、治験成績として1年以上2年未満の近視で、71.1%、2年以上の近視で58.9%もの視力改善があったと発表され、世界的に注目を浴びたのです。超音波によってこれだけの視力改善が得られるという発表は衝撃的な出来事だったのです。
それまで医療の最前線では、超音波を利用したさまざまな機器が使用されていましたが、眼科においては治療対象となる眼球があまりにも小さく、きわめて精密な働きをしているため、超音波は眼科の治療には不向きだとされていました。
「眼科用手持ち超音波治療器」は試行錯誤の末に完成されたのですが、眼科に用いる治療器は絶対に安全で、かつ副作用のないものというのが必要条件で、
①超音波の中でも音響出力がごく微弱であること
②発振周波数が、ヒトの生体書式細胞の固有振動周波数に対応した適切な低数帯域周波数であること
③振動が抵抗なく組織細胞に深く吸収され、かつ障害を起こさないこと
これらを踏まえて、
まず、音響出力を微弱な100mw/平方センチとし、発振周波数を低数帯域超音波である6~12キロヘルツとしました。この低数帯域超音波は、穏やかでゆっくりとした物理的作用をもたらします。
そして、眼の組織の奥深くまで浸透し、細胞の一つ一つに対してマイクロマッサージを行います。その結果、毛細血管が拡張して血流量が増大するほか、リンパや房水などの流れもスムーズになり、新陳代謝も促進させます。
近視の原因の大部分は、毛様体のコリによって水晶体の厚みが調節できないことによって引き起こされていました。超音波エネルギーはそのコリをほぐし、毛様体を本来の働きができる様に促す働きがあるのです。
「家庭で出来る超音波療法で視力が回復」より参照